インプラントとは人工歯根のことです
医療の現場では臓器移植や人工臓器は身体の拒否反応(自己免疫反応)を完全には抑制することが難しいのが現状です。そうした中で歯科におけるチタンを使ったインプラントは すでに20年以上骨と良好に結合した状態を保つことが実証されている安全な人工臓器ということができます。
これまで様々なタイプのインプラントが開発されてきましたが、現在の主流は1歯に対し1本のねじ込み型(スクリュータイプ)を埋め込むというものです。 ですから歯を3本失った場合には3本のインプラントを骨の中に植立するのが基本的な方法です。
初期のインプラント手術は傷口も大きく、手術後の痛みや腫れを心配しなくてはなりませんでしたが現在では処置の範囲も小さく、手術時間も大幅に短縮されたため治療後の痛みや腫れといった問題も殆ど心配の必要がなくなっています。
インプラントは下顎では概ね1ヶ月、上顎では3ヶ月から6ヶ月の治癒期間をおいたのち 歯のあたまの部分(歯冠部分)を製作します。 当院でのインプラント費用は骨に埋入する本体部分が20万円(1本) 歯冠部分は部位、材料により異なりますが10万円~20万円となっています。 (インプラントは骨の中に植立する処置ですので骨の損失が著しい場合には適用できないこともあります)
なぜインプラントなの?
たとえ1本であっても歯を失ったままにしておくと隣の歯は咬む力によって傾斜したり、本来の場所から移動してしまい噛み合せにズレを生じたり、噛み合わせを十分に支えられなくなってしまいます。また長期間歯が抜けたままの状態を放置しておくと、抜けた隙間に対合する上の歯、あるいは下の歯が伸びて(挺出して)きます。こうしたことが原因で顎のズレを引き起こし、めまい、肩こり、偏頭痛などを伴う顎関節症の原因となることがあると言われています。
よく”入れ歯ではダメなの?”とのご質問を受けることがありますが、総入れ歯はともかくとして、失われた場所に装着される義歯は外れにくいようクラスプといわれる金具を残っている歯に取り付け、しがみつくようにしています。そのため短期的には問題が生じなくても数年の間に義歯の動きがしがみついている歯に負担をかけ、最終的には金具のかけられている歯も失ってしまうという悪循環に陥ってしまいます。
ですから現在では1本失ったらすぐにインプラントを入れるというのが最良の方法であり、結果として安価(金額に対する治療効果として考えた場合)な医療ということが云われています。