診療について
噛み合わせが悪いまま放置された場合、以下のような問題が生じます。
・成長発達期にある若年者の場合には、姿勢の異常や顔貌の変形(受け口や顔の歪みなど)の原因となります。
・成人においては姿勢の異常が慢性的な筋の疲労(乳酸)を蓄積し、慢性的な肩こりや、偏頭痛、頚部や脊椎の彎曲、首の痛みや上腕の痺れ、腰痛などを誘発します。症状がひどくなると難聴や平衡感覚異常(メニエール症候群と判別できないような症状)を呈する場合も生じます。
・噛み合わせは専門用語で“咬合”と呼ばれ、噛み合わせを直す治療法は咬合治療と呼ばれています。幼少期の食事指導は大変重要な咬合治療の一環ですが、乳歯が永久歯と生え替わる時期(混合歯列期)までに改善できない場合には矯正治療をおこなう必要が出てきます。
成人の場合には、噛み合わせが顎の動きと調和しているか否かを診断した後、問題が小さい場合には咬合に支障をきたしている部分だけの治療で解決できますが、多くの場合歯並び全体の改善(主に矯正治療)が必要になります。
しかし、矯正治療をおこなう場合には保険が適応されず費用が高額となることや、治療期間が長期に及ぶことがあり、すべての患者様にできるとは限りません。
また“歯を失ったために噛み合わせが適切にできない場合”には人工歯根(インプラント治療)で噛み合わせを再現(咬合再構成)するのが理想ですが、これも失われた骨の状態や治療費がネックとなり全ての方に治療を施すことが出来るとは限りません。
その様な場合には症状を軽減する、あるいは症状を悪化させない目的でマウスピースを処方したり、歯が無いところに義歯を装着することで最低限の目的を達成するようにします。